【外務省】在外公館派遣員とは？募集から応募までを解説

在外公館派遣員制度とは

ざっくり言うと

「原則2年間日本以外の外国にある公館(大使館や領事館)へ派遣されて仕事をする人」のことです。→ 外務省在外公館派遣員制度 (国際交流サービス協会)

外務省から国際交流サービス協会へ在外公館派遣員の募集を依頼し面接を行い採用されます。→ 募集情報 (国際交流サービス協会)

雇用期間(原則2年)が決まっている非正規の労働者であり、労働基準法、労働者派遣法に基づき国際交流サービスの嘱託職員として各在外公館に派遣されます。

在外公館の種類

• 大使館
• 総領事館
• 政府代表部
• 領事事務所
• 出張駐在官事務所
  

在外公館の主な仕事

外国に置かれている国の機関であり、日本と他国との外交や日本人の保護、ビザ・パスポートの発給業務などを行ったり、相手国に住んでいる日本人に生活情報や安全情報を提供します。

大使館と領事館てどう違うの？

大使館は各国に1つ。基本的に首都に置かれ相手国と日本との外交活動、政治的問題の処理などを行います。

領事館は首都以外に複数置かれ大使館業務の一部を担っており、外交活動の権限はなく日本文化紹介や日本人への行政サービスが主な業務です。

派遣員の歴史

在外公館派遣員は1973年に始まった制度で、在外公館（大使館、総領事館、政府代表部等）に民間人の若者を派遣し、主に公用出張者のサポートや館内の事務業務など外交活動の下支えを担当します。

派遣員の目的

外交を側面でサポートする仕事に関わり国際社会での経験を積み、各国との友好親善に寄与してもらいたいという期待が込められています。

在外公館派遣員に関する書籍

「在外公館派遣員」になるためのガイド本です。

経験者の生の声を収録。在外公館派遣員とは？から帰国後の進路まで詳細にのっています。

挑戦! 語学をいかして海外勤務 大使館で働くための「派遣員」ガイド

「ジャポニカの歩き方」

作者の実体験をもとに書かれた漫画です。

海外でひどい目にあい「二度と海外には行かない」と決心したはずの主人公。バイト先で出会った外交官に「在外公館派遣員」になるようすすめられます。無事合格し、赴任先での海外生活が始まる！

ジャポニカの歩き方

在外公館派遣員の主な仕事と給与待遇

在外公館における様々な業務を外国語を使って行います。使用する言語は英語や現地の言葉(フランス語、スペイン語..その他マイナー言語)です。

仕事は大きく分けて以下のものがあります。

• 便宜供与
• 館内の事務補佐
• 庶務のような領事事務
• 広報業務　

【便宜供与】

聞きなれない言葉ですが在外公館が行っている便宜供与とは、公用で海外出張に来られる人に対して行う空港送迎や、宿泊などの支援をすることです。

公用出張者が来られると空港まで出迎え、出入国手続き、搭乗手続き、荷物管理、車での送迎、宿泊するホテルの予約、会計など。ホテルはどこに泊まるのか？金額や場所も考える必要があります。現地のレストランの情報を調べ予約したり、出張者に同行し通訳などもします。出張者の帰国時には航空券の予約や手配なども行います。派遣員でも忙しい公館へ応援出張へ行ったりもします。

【館内の事務業務補佐】

便宜供与が日本から来られる公用出張者に対しての業務であれば、こちらは公館の中で働いている人達に対しての業務となります。

館員出張時の航空券手配、帰国手配、配車手配、現地ドライバーへの指示、公館で使用する備品の購入・管理、館内会議の資料作成、給与計算や経費の管理、会計業務などを行います。

【領事業務】

パスポートを失くしてしまった日本人のサポートやフォロー、ビザの発行業務補佐を担当します。

海外では予期せぬ自然災害や事故、犯罪なども多発します。スキューバダイビングやシュノーケル時、遊泳中などに起こる水難事故、登山やハイキング時の滑落事故、物を盗まれる犯罪被害、テロや銃撃事件などもあるでしょう。そんなトラブルにあった日本人の安否確認の翻訳や通訳業務などがあります。

観光がさかんな国や日本人の渡航者が多い国は、それに伴いこの業務も増えると考えられます。

参考：邦人の援護件数の多い公館1位は在タイ日本国大使館(約1500件)

2位フィリピン 3位イギリス 4位韓国 5位フランス

引用　2019年 海外邦人援護統計：外務省

【広報業務】

在外公館のホームページ更新したり、日本を紹介する文化イベントの広報業務や運営の補佐を行います。

派遣員の待遇や給料は？

• 報酬、住居費、渡航費用などが支給される
• 給料は月額約２４～３９万円で、金額は派遣先の国により異なる(+残業代など)
• ボーナス：50万ほど(元派遣員からの情報)　
• 社会保険（雇用保険、健康保険、厚生年金）に加入。労災保険が適用　
• 所得税免除(ウィーン条約により)、住民税免除(日本に住んでいない為)(例：年収300万の人で所得税＋住民税は約18万ほど)　日本でもらうより手取りは多くなる
• 公用旅券が発券される
• 有給休暇 1年で20日。公館によっては(発展途上国など)別に健康管理休暇という休暇がもらえる

在外公館派遣員の募集から応募まで

説明会へ行こう！

国際交流サービス協会では在外公館派遣員の説明会を実施しています。公式のHPでの確認はもちろんのこと、細かい内容を知りたい方や、質疑応答の時間もあるので疑問点はクリアにしておくと良いと思います！

説明会は春4月、秋9月ごろ実施

実際に、過去私が行った説明会では以下の流れで行われました。

1. 　外務省在外公館派遣員制度について
2. 　在外公館派遣員試験について
3. 　質疑応答

以前行われた説明会で覚えているのは、

• 女性と男性の比率：女性80％、男性20％
• 合格者の平均年齢 : 25歳
• 募集言語の例で 　:「フランス語または英語」とあれば先に来ている言語が優先される
• なるべく希望の公館に近づけたいと仰っていた
• １次試験は外国語試験と一般常識の点数のみで決定され、適性検査は2次試験で参考にされる

来られていた元派遣員の方の話で覚えているのは、大学卒業後にフリーターをしていて「まぁ受からないでしょ」と思って気軽に受けてみたら1回で受かったそうです。誘った同僚の人も一緒に受かったとか。派遣員の後はBarを経営してたとかで面白かったです。元派遣員さんのリアルな話が聞けるのでおすすめです。

募集要項

応募

年に2回募集。 4月、9月ごろ

現在はコロナウイルスの影響でWEB応募になっているようです。

募集専用のWEBサイトにアクセスし、ユーザー登録後エントリー情報をWEB上で入力します。入力途中での保存や、エントリー完了後の変更はできない可能性もありますので初めに印刷し、内容を書いておいてからのエントリーが良いでしょう。写真の添付もありますので写真をデータで保存しておくと便利です。スマホでのエントリーは推奨されておらず、パソコンでの入力が必須になります。

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